タイトルはスキマ.スイッチ[夕風.ブレンド]より、お借りしました。当時、感情赴くままに吐露した言葉と、箱船や星の表現から終焉を迎える日、それが教授と重なって書きたい、と思いました。曲自体の歌詞はいろいろな解釈がされているのですが、私の中の世界観ではうつろい、触れることも、感じることも、ましてや言葉にすることすら憚られる、孤独そのもののようでした。
みないで、しないで、泣かないで…の切実さから、雨が上がる…の流れが本当に気に入って何度も聴きました。そこから、教授のあの瞬間から回帰、それを中心に展開していく過去と現在を織り交ぜて。最終巻が発表された当時から、結末を風の噂で聞いても読めずに、数年間部屋の片隅に鎮座したままでした。

覚悟をして読んだ時の衝撃はもう覚えていないほど、だけれども苦しくて苦しくてたまらなかったと記憶しています。最期まで百合を想う頑迷さを秘めた彼は、渇望したそのものの瞳に覗き込まれ、守れた幸福で、満たされたのだと思います。たとえ、生きていた頃、誰に理解されていなくても、その一瞬のために、生きていた。自身の手で折った指針の修復する手立てのなかった彼には、それだけが生きる糧だった…けれども彼が切望するように、自身を求める相手が居ることも知って欲しくて。
この物語での彼の選択は、喜ばれず、使命と絶命を合わせないで、生への執着を見せたかったな、と思いつつ。

教授は変わらない結末のなかでも、一方的な愛情ではなく、幸福と暖かみを感じて欲しかった。「僕を見て…」で終わってほしくない、という気持ちを込めて。でも、やっぱり教授には生きていてほしい…な。

機会があればズラチナルーカ、聴いて下されば幸いです。最後まで読んで下さりありがとうございました。

20151128^20190127 : ×