どうしよう、その呟きは風と共に流れるだけで何の解決にもなっていない。 どうしようと振り出しに戻る私の脳内経路はどう考えても寝すぎでまだぼおっとする。空を見上げれば夕刻だと知る、空一面の赤色にはため息が出るがそんなことよりも思っていたより四不象は私を見つけることが出来ず、私は気を抜いた一瞬で眠りについてしまっていたまではよかった。こんなにも悩むことなんてまずしない。戻ったら皆に謝ればいいのだから、けれど今の私にはそれ以外の問題があった。抱えていた筈の膝を寝る体勢としては辛かったのは無意識の内に伸びきっていて隠れているのは身体だけ。それはわかる、けれど何故膝上で彼が寝ているんだろうと、そうこれが私のどうしよう、の矛先だった。 「師叔、」 返事はなし。変わりに聞こえてくるのは小さないびき。もう、と師叔の頭を軽く叩くけれど起きやしない。そのまま頭に置いた手で今度は撫でたら髪の毛は悔しくなるくらいふわりとしていて、雲に触れたらこんな感じなのかなというような感触だ。それでも止まらないいびきにむすりとして前屈みになって髪の毛に唇を落としたと同じ時に彼のいびきは面白いくらいに途絶えた。 (ぐるりと巡った想いの末路は、)(20090903)(×)(することなんてお見通し) |