つまづきそうになりながら、四つの瞳をぐるぐると見ると、ふたりともそれは幸せそうな表情で、一度顔を見合ってそれから「私たち、結婚するの」と云った。
寿ぎが花びらとくっついて、そよ風に流される様を見て、彼は静かに激昂へと身を沈めていた。そうしたところで姉の幸福には何ら支障はきたさないのに、と私は余計なお節介を焼く。
真似出来ないような方法で、彼は姉を祝福した。上手な云い方があるだろうに彼は酷く素っ気なく、云う。指摘する私に、誠実でいて朴訥な処は、長所だと姉は微笑む。