Ordinary Days
いても、いなくても
冬を綴じたと思ったら
桜桃のない庭だけど
春の塵をまぶした後に
光を吸って金色になる
見つめあえる距離のまま
君に会いに来ただけだよ
その骨は羽根の名残り
夏の匂いのする背中
涙の温度は海に似ていた
はじけちる願い
星の瞬きより速く
グラデーションが溶けていく
失うまでの短い時間
隣町で買ったフルーツタルト
少し霞んだ媚茶色のリボン
ブラウス越しの肌の匂い
甘い味だけを知っている
キスかショコラかグッバイか
青いまま実る夢
凍らないまま満ちもせず
はじめから嘘を付く
遠くで流れていくのを見ていた
オーロラを呼んでいる
すべてをたいらげるまで
こころが巣食われそう
いまでもきっと泣いている
君に降る雨はいつだって
視線の先の先
「素晴らしい世界でしょう」
この花なら誰のため
やさしい手がここにあったら
ずっと空ばかり見ている
こころと心臓と胸が痛い
さわらなくても最後
くしゃみに弾ける秘密
ただただ広がっていくだけ
秘密ばかり作ってた
この涙ははつ恋の残滓
君を覆うやさしい銀河
楽園に君がいてもいなくても
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Before after
href="41.html">あの記憶は匂いだった
href="42.html">つよがりと百も重ねた嘘
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title
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after word